菜の花配達便 [1998映画]
脚本 原作 つかこうへい氏ということもありまして、あんな感じです(どんな感じ?)
もう、ジミー大西さんや、ミスター珍さんが出ているというだけでお涙ものの映画。
どーして、これに西島さんが染まるんじゃ?と思いきや、綺麗に収まっているのは…面白いですね。
つばめが丘という所にある、不思議な私設郵便局「菜の花配達局」
この郵便局を調査するために新人警察官の田草川(西島さん)は潜入捜査をまかされ、その郵便局を取り巻く人々と関わっていきます。
このへんは、つかこうへい さんのお得意な感じのほのぼのとした、割とオーバーな表現ながら優しさがにじみ出てくるお話です。
しかも、捜査をしているはずの田草川は同じ街に住む百合子(小松千春さん)に手紙をだし、それを切っ掛けにその郵便局を調査しようとするのですが…結局百合子に本気で惚れてしまった田草川はラブレターを出すのに四苦八苦。出したは良いが、郵便局の面々にダメ出しをされ…
と、いうことですでにこの段階で私文書を見たという重大な違法なのですが、それでも平気でやっちゃう私設郵便局の皆さんのコミカルで真剣な演技が面白い。
それに、溺れるかような西島さんがまたかわいいというか、初心な感じですね。
なにしろ、ラブレターの書き方を指導されるなんて、このメール時代にありえません(笑)
これを切っ掛けに、菜の花配達は閉鎖になり、田草川は役目をはたします。
百合子も結局引っ越してしまい、思いを伝える事は叶わず。
そして、20年後そのまちにやって来た田草川は、変わらぬ光景に目を細めるのでした。
はい。西島ポイント。
というわけで、西島さん20代前半と40代前半を演じますが…
この40代の渋めの警察署長が、今現在の西島さんなので…ん?そこまで白髪にして老けさせなくても??
というかんじですね。サヨナライツカの豊状態でした。
で、若い頃の田草川はちょっとお顔が丸いので、肌がつるつる。
若いってこういう所でしょうか?
で、西島さん、「コメディーもやってみたい」と近年仰っていましたけど
この映画も…コメディーだと思いますよ。
十分に、僕とスターに匹敵する面白さでした。
で、同期に石原良純さんとか俳優陣も凄い。
演技も、初期の頃の方が濁りがない?個性がない?というか、極めて無難にこなす。
そこで存在感をだす。
そのあとに、デュオに出演されるのですが、この頃の演技というのは本人の中では
どう評価していたのか?気になりますね。
居酒屋ゆうれいなんかものびのびしていて良いのですが。
さて、私、5月26日 、日プロ行って参ります!!
レポートは後ほど。
冷血の罠 [1998映画]
セイジも公開され、ストロベリーナイトも視聴率好調、CUTも東京ではロングラン。
インディペンドととしては破格の全国展開。
というわけで、ノリにのっている西島秀俊。
週に何度も番宣ご苦労様です。
さて、昔の映画の話「冷血の罠」
なんと、主演は哀川翔さんという段階で、なんつうか脈絡は見えているけ…ど
面白いですよ。これ。
探偵、藤原(哀川翔)その妹の夫 花園(西島さん)
妹は、数年前に乳児と自殺。
理由は表向き、花園の浮気という事になっているが…実はそれだけではなかった。
っううことは、それもあったということです。西島さん、また浮気してたな。
その花園自身の調査で、妻は暴行を受けていたという。
花園は数年かけて、地図をつくり、その犯人を捜す。
その過程で犯人を追いつめる快感からか、笑みを浮かべ不気味に行動する花園。
最後には兄の藤原が犯人を追いつめるが、その人物は目の前で自殺。
しかしそのあとも花園の地図は作られ、殺人がおこる。
そして、最後の〆に、花園の浮気相手の由子を殺そうとするが、由子は自分で自宅から飛び降り自殺。
計画を崩された花園と対峙する藤原。
花園を押し倒し、藤原と花園の葛藤に終止符を打つ。
というようなお話。
哀川翔のあの路線ですよ、あの。
で、終わりですが、西島ポイント。
はい。完全に主役はくっていると思います。
ドラマ的というか、そういう演技は○じゃないかな。
花園のいやらしーーー存在感も十分。
あの、不適な笑うシーンなんて、怪演だと思う。
しかし、相変わらず悪い男ですねえ。
なんだかんだで、浮気してたんじゃないの。
藤原的には、十分憎むべき義理の弟ですよね。
しかも、不倫相手もまだいるんですよ。
って花園に文句言っても、西島さんではないので、あしからず。
まだ、20代の頃の作品ですが、風格は今とあまり変わらないですね。
いや、今の方が若く見せようとしているときの演技ですと若く見えるかも。
花園だとわりと年齢より上に見えます。
名作という映画にはならないと思いますが、珍しい一面の映画ではあります。
ニンゲン合格 [1998映画]
役所広司さんという名俳優との共演作。
27歳位の西島さんにとっては、ドキドキでしたでしょうね。しかも監督はクロサワ氏。
最後のあっけなさが、黒澤監督の好きそうな展開ですが、そのあっけなさを出す事が若い西島さんの天分ダッタような気もする。
演じるというか、天然でいい感じ。
あまり何かをつけてしまうと、映画のもつ不思議な絆の存在が見えないような。
豊(西島さん)が10年間の昏睡状態から覚め、父の友人という藤森という男と暮らしはじめます。
藤森は、豊一家の住んでいた土地の一角を使い、釣り堀を営んでいる変な人。
豊一家は、14歳の頃までそこで『ポニー牧場』を営んでいましたが、この10年間に家族はバラバラに。
そんな所に馬が迷い込んできます。
その馬を手に入れ、牧場再建を豊は考えます。
その過程において、父、妹、母、同級生と会います。
失った10年間を取り戻そうとする豊。
藤森は不法投棄が見つかり逃げて行ってしまい、代わりに母と妹とその彼氏と同居することに。
「いつか、家族全員そろうかな?」
しかし、新興宗教にはまった父の乗った船が遭難。
心配する家族。
無事発見された父を映し出すテレビ。
幸せになりそうな予感を見せながらも、母と妹は去り、豊は一人になります。
そのとき、豊を10年前に跳ねた運転手と偶然再開。
幸せそうに見える豊に嫉妬したその運転手は牧場を破壊します。
最初は阻止しようとした豊、しかし、次第に豊にも変化が。
自分が築こうとしていたのは、今までの10年であっただけであるということに気がつきだしたのかもしれません。
そして、豊も牧場を壊します。
欠落した10年間を埋めていた自分を壊して、新しい生き方を作ろう
そんなときにひょっこり戻ってきた藤森。
大量の冷蔵庫のゴミを豊の土地に置きさり、一緒にここを出て行こうとします。
豊が崩れてきた冷蔵庫の下敷きになります。
「ちゃんと存在した?」
と最後に言い残しました。
そして家族が全員集まります。
豊の葬式に。
14歳から24歳までという大人になる期間が抜け落ちていた豊。
自分でも、どういう存在だか悩み苦しんだのでしょう。
ニンゲンなのかどうなのか??すらわからなかった??
その少年期から青年期までの過渡期のなかった、不思議な豊を西島さんが時には少年のように時には24くらいの大人のようにブレのある仕草を淡々と見せながら生きている豊を好演。
たしかに、短い間だったけど、ニンゲンユタカはいたんだよ。
で、西島ポイント。
若いので、線が細いですね。身体の線と言うか、何にしても。
今(2011)の方が身体は絞れているのかもしれませんが、弱々しい青年っぽい線が残っている。